腸力アップのカギは善玉菌の量にあり


 腸力をアップするには、腸内環境を整える必要があります。腸内環境を整えるにはどうしたら良いのでしょうか。まずは腸内での善玉菌の割合を多く保つことです。善玉菌が増え腸の状態が良くなると免疫力がアップしがんや感染症の予防につながります。糖尿病のストレスの予防にも好影響を与えます。最近では、腸と認知症の関連も注目されています。このページでは、腸力を増す方法をご提案します。



腸力アップの方法を頭にたたき込みましょう!

@食物繊維は腸力改善の一番槍
 食物繊維は乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり善玉菌を増やします。また、食物繊維が不足し便秘になると腸内には悪玉菌が多くなり、腸力低下につながります。十分量の食物繊維を摂取することは、腸力を改善するためには必須です。食物繊維を多く含む食品(下記参照)を豊富に摂取しピンピンコロリに近づきましょう。
 食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。両者をバランスよくとることが重要です。
 1)水溶性食物繊維を多く含む食品
  海藻、こんにゃく、果物、納豆など
 2)不溶性食物繊維を多く含む食品
  野菜(ごぼう、キャベツなど) 大豆製品 未精製穀類 いも類 
 きのこなど

 最近、腸内環境は食事などの環境要因の影響が強く、短鎖脂肪酸の作用が大きいことがデンマークの研究で明らかになりました。短鎖脂肪酸とは、腸内細菌がつくる、酪酸、プロピオン酸、酢酸などの有機酸のことで、腸内を弱酸性の環境にし有害な菌の増殖を抑制したり、大腸の粘膜を刺激して蠕動運動を促進するといった作用があります。その短鎖脂肪酸を増やすために、体内にいる腸内細菌が必要で、その最大のエネルギー源となるのは食物繊維です。

Aオリゴ糖も腸内細菌の大好物
 オリゴ糖は、食物繊維と同様に乳酸菌のエサとなって腸内の善玉菌を増やします。食物繊維とオリゴ糖は腸力アップのためのキーとなる食材です。
 オリゴ糖を多く含む食品には、玉ねぎ、にんにく、バナナ、りんご、ハチミツ 、大豆製品などがあります。
 朝食後、プレーンヨーグルトにりんごかバナナ、ハチミツを加えたら腸が大喜びしそうです。ただし、糖尿病や肥満症の方は、ハチミツやフルーツの食べすぎは禁物です。 

B発酵食品で腸内環境改善
 ヨーグルト・納豆・味噌・キムチ・酢・甘酒・かつお節などの発酵食品を積極的に食べることです。腸内には、善玉菌、悪玉菌、どちらでもない日和見菌がいますが、ビフィズス菌などの乳酸菌を含む発酵食品を豊富に食べることにより、腸内環境は善玉菌優位に保たれ、腸力が増強します。 

C適度な運動で腸力アップ
 腸はミトコンドリアが豊富な臓器です。適度な運動がミトコンドリアの質と量を改善することはすでにお話ししました。ミトコンドリアの機能が増せば、当然腸の筋肉も元気になり、腸力アップにつながります。

D“笑い”は腸内環境を改善
 免疫細胞の約7割は腸に存在し、体内に入った細菌やウイルス、体内で発生したガン細胞などの異物から身を守ります。ナチュラル・キラー(NK)細胞という免疫細胞は、全身をパトロールし、がん細胞や病原体を発見すると、ただちに攻撃し殺します。スマイルの絶えない生活はこのNK細胞を活性化し、腸力を増強することが知られています。鏡を見て“にっこり”でもいいので、常に笑顔を忘れないようにしたいものです。



宮原隆志(元みやはら医院院長)の健康と芸術に関するひとり言

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